テザー砲って?Tether・Bitfinex疑惑について解説

2017年11月27日

最近仮想通貨界隈で話題に上がっているのが、Tether(テザー)及びUSDTですね。

「テザー砲」なんて言葉をちらほら聞くこともあるのではないでしょうか?

今回はテザーについての解説、そしてなぜ今テザーが疑問視されているのかを解説していきます。

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Tetherとは?

まずは、Tether騒動を理解するためにTetherの仕組みを理解しましょう。

Tetherとは、Tether.limited(テザー社)が発行する仮想通貨です。単位はUSDTで表記されます。

テザーの最大の特徴は、常に1USDT=1USD(1$)の価値を持つ仮想通貨だということです。

法定通貨であるUSドルと同じ価値を持つ仮想通貨がテザーです。これをドルペッグ制と呼びます。

USDTは、発行される時に同数量のドルを担保にすることでその価値を保証しています。

平たく言えばブロックチェーン版(仮想通貨版)のドルがUSDTです。

基本情報

  • 通貨名:Tether(テザー)
  • 単位:(USDT)
  • 公開日:2014年10月
  • 現在の流通数:6億7500万枚(執筆時点)
  • 時価総額:約760億円(執筆時点)
  • 公式HP:https://tether.to/
  • アルゴリズム:Proof of Reserves

Proof of Reservesというのはテザーがペッグ制において支払い能力の裏付けとして採用しているもので、テザー社はリザーブ(銀行残高)を常に公開しているので、それを支払い能力の信用としてくれ、というものです。

USDTのメリット・デメリット

1ドルと同じ価値を持つ仮想通貨?何だそれ意味あるの?ドルでいいじゃん!と思う人もいるでしょう。(私も思いました)

ですので、USDTのメリットとデメリットについて説明します。

メリット

  • USドルよりも送金手数料が安く、送金が早い(仮想通貨なので)
  • 他の仮想通貨と違って価値が安定している

基本的にはドルの仮想通貨版なので、仮想通貨の特徴である送金手数料の安さと送金の速さがメリットです。

さらに、価値が安定しているので、市場が不安定な時の一時的な逃げ場のような役割も果たします。

※現金に利益確定してしまうと税金が発生するが、USDTの場合は仮想通貨間の取引なので税金が発生しないという主張もありますが、現在の日本の税法上は、アルト間の売買でも税金は発生するようなので無意味です。

デメリット

  • カウンターパーティリスクが存在する
  • 価値の変動がない

最大のデメリットはカウンターパーティリスクの存在です。

USDTは何らかの理由でTether社が破産してしまった場合、USDTの価値がなくなってしまう危険性が存在します。

また、価値の変動が少なく安定していることはデメリットでもあります。成長している仮想通貨市場でUSDTを持ち続けることにはあまり意味がありません。

テザー砲疑惑について

さて、Tetherについて理解が深まったところで、問題のテザー砲について解説していこうと思います。

テザー砲とは簡単に説明すると、ここ最近USDTが大量に発行され、BTCの買い支えに使われている事、そして同時に大量発行されているUSDTがドルを担保にせずに発行されているのではないか?とされる疑惑です。

テザー砲の発端

テザー砲の発端は、9月頃からUSDT建てでのBTC購入が急激に増えたこと、そして取引所での大量成り買い注文が増えたことです。

2017年11月の初めから3週間程でテザーの時価総額は2億ドル以上も上昇しています。(4億5千万ドル→6億7千万ドル)

そして、海外掲示板でテザーが数分間に3000万ドル分発行されたというような内容のスレッドが立ち、いよいよ疑惑は強まっていきます。

その疑惑というのが、テザー社はドルを担保に入れずにUSDTを発行しているのではないか?という疑惑でした。

ドルを担保にしているはずのUSDTがドルを担保にせずに発行している、そしてそれがBTC購入に使われているとしたら・・・。BTC(及び仮想通貨市場)には存在しない価値が上乗せされていることになります。

もちろんこれは只の憶測でしかありませんでしたが、そう疑っても仕方がないような状況が存在していたわけですね。

疑念を持った人たちが調べていく中で、少しづつ疑惑が強まる材料が出てきたのでした。

まず、テザーの規約にはテザーがドルを保証するものではなく、返金は法的に保証されないという点です。まぁつまりカウンターパーティリスクなわけですが、テザーは最悪トンズラすることも可能なわけです。

そして、大手仮想通貨取引所であるBitfinexのCFOがテザー社の取締役であるという疑惑、さらにこれら2社はBTCコア派のブロックストリーム社が出資しているという情報などが出てきました。(Bitfinexは昔からコア派とズブズブな関係の取引所として有名)

また、BitfinexではUSDTで3倍までのレバレッジを掛けることが出来るため、一時的にBTCの価格を釣り上げるようなこともTetherとBitfinexが協力すれば出来ないこともない、という事ですね。

さらに、BTCは2017年内の先物上場が決定しています。仮にBTCの価格を存在しないUSDTで釣り上げたとしても、先物市場の利益で不正に発行したUSDTを本物にする事も可能です。

テザーの疑惑

  • あまりにも短期間にUSDTが大量発行されていること
  • チャート的に不自然な上げが多いという説(私はわかりません)
  • BTCの買い支えに使われたのではないかという疑惑
  • テザーの規約に、返金は法的にも保証されないと明記されていること
  • テザーが最近の資産残高をまだ公開していないこと
  • テザー社の取締役にBitfinexのCFO(最高財務責任者)が存在する疑惑
  • BTCの先物上場で存在しないUSDTを本物にするつもり説

などなどの点から、テザー疑惑は少しずつ強まっていました。

ただ、どれも決定的な証拠となりえるものではなく、あくまで疑惑です。

しかし、こんなもん決定的な証拠が出た時点でジ・エンドですからそんな証拠は出てきません。

逆にこの疑惑自体が(BTC価格を下げたい)フィクサー達のFUDの可能性さえあります。

Bitfinexのコメント

このような疑惑が強まる中、Bitfinex公式がツイッターにてコメントしました。

要約すると、

Bitfinexは適正な運営をしており、話題になっている疑惑は価格暴落を目的としたFUD(大衆に恐怖を煽るプロパガンダ)です。

結論を出す前に、疑惑の証拠があるかを考えてみて下さい。Bitfinexを擁護してくれた人はありがとう。正式発表ももうすぐ出すから安心してくれよな!

というような内容です。

まだ公式サイトでの疑惑に対するアナウンスは無いですが、もし本当に潔白であるのならば、なんらかの情報が出されることでしょう。

テザー社が3000万ドルのハッキング被害

Bitfinexのツイートで皆が安心したのも束の間、テザーから衝撃の発表がありました。

それがテザー社の3000万ドルのハッキング被害です。

詳細は以下URL https://tether.to/tether-critical-announcement/

概要としては11月19日、テザー社のウォレットから約3000万ドルのUSDTが盗み出されたということです。

テザー社は迅速に対応し、攻撃者のアドレスからUSDTを受け取らないよう注意を喚起しています。

しかし疑問点があるとすれば、このタイミングはあまりにも出来すぎていないか?という事です。

  1. テザー社は疑惑が強まり資産残高の公開を強く求められている
  2. 仮に不正が事実だとすれば資産残高を公開すればジ・エンドなので公開は無理
  3. そうだ!ハッキングされた事にして不正USDTは無かった事にしよう!

という図式が出来ないことも無いですね。

流石に今回の件はテザーが資産残高を公開して終了かと思っていたのですが、まさかのハッキング被害です。あまりに出来すぎています。

逆に疑いの目が強くなってしまいました。

USDTとBitfinexには気をつけよう

結局のところ真相は未だにわからないままですが、BitfinexのGoxの可能性などを示唆する声も出てきており、Bitfinex, tetherは共に信頼回復の為のはっきりとした証拠を提示する必要があるように思えます。

USDTの保有とBitfinexでの取引には注意をしておくべきだと思います。

仮にUSDT問題の決定的な証拠が出た場合のマーケットのクラッシュ具合はハンパないと思うのでフィクサーたちが絶対に阻止するとも思えるんですけどね。

何が起こるかわからない仮想通貨界隈ですから、いざという時の備えだけはしておきましょう。